埋め込み用マイコンでも Python を動かせる MicroPython というものがあります。
リアルタイムでコマンドラインからマイコンを動かせる画期的なシステムなので、ちょっとした感動が味わえます。
使い方としては、まずファームウエアをアップロードしてドライブとして認識させます。ここで code.py を走らせてもいいし、コマンドラインから動かすこともできます。
ここでは Waveshare RP2040-Zero (の互換ボード)を例に、基本的な使い方をまとめます。
MicroPython の特徴
組み込みマイコン(ESP32, ESP8266, RP2040 など)で Python を実行可能
REPL(Read-Eval-Print Loop)を通じてコマンドラインから直接操作できる
code.pyやmain.pyを書き込むことで自動実行も可能
RP2040-Zero に MicroPython を導入する方法
1. ファームウェアの入手
MicroPython の公式ダウンロードページから RP2040 用の UF2 ファイルを取得します。 → MicroPython ダウンロード(Raspberry Pi Pico 用)
RP2040-Zero は RP2040 チップ搭載なので、Pico 用ファームウェアがそのまま利用できます。
2. ボードをブートローダーモードで起動
RP2040-Zero の BOOT ボタンを押しながら USB ケーブルで PC に接続します。
「RPI-RP2」という名前の USB ドライブが認識されます。
3. ファームウェアの書き込み
ダウンロードした
RPI_PICO-latest.uf2を「RPI-RP2」ドライブにドラッグ&ドロップします。数秒後に自動的に再起動し、MicroPython が有効になります。
4. REPL の利用
USB シリアル経由で REPL(対話型プロンプト)にアクセスできます。
Linux では
screen /dev/ttyACM0 115200、Windows では PuTTY や Thonny IDE を利用可能です。Thonny を使うのがおすすめです。
ダウンロード: https://thonny.org
Windows / macOS / Linux に対応しています。
初回起動時に「ツール → オプション → インタープリタ」で MicroPython (Raspberry Pi Pico/RP2040) を選択すると、RP2040‑Zero を自動認識します。
「REPL」ウィンドウが開き、対話型プロンプトで直接 Python コードを入力して実行できます。
さらに、ファイルをボードに保存する機能が使えます。
File → Save As… → MicroPython deviceを選び、ファイル名をmain.pyにすると、RP2040‑Zero の内部フラッシュに保存され、リセット後に自動実行されます。
Mu Editor も使えます。
ダウンロード: https://codewith.mu
Windows / macOS / Linux に対応
初回起動時に「モード選択」で MicroPython を選択すると、RP2040-Zero を自動認識します。
「REPL」ボタンを押すと、対話型プロンプトが開き、直接 Python コードを入力して実行できます。
5. スクリプトの配置
RP2040-Zero 上のファイルシステムに
main.pyやcode.pyを保存すると、起動時に自動実行されます。
実行例
>>> import machine
>>> pin = machine.Pin(2, machine.Pin.OUT)
>>> pin.on() # LED を点灯
>>> pin.off() # LED を消灯
まとめ
MicroPython は「マイコンを Python で動かす」ための画期的な仕組み
ファームウェアを書き込み → ドライブ認識 →
code.py実行 or REPL 操作小規模な実験や学習に最適で、リアルタイムに動作を確認できる
