金曜日, 7月 20, 2007

オーストロネシア諸語

オーストロネシア諸語は、インドネシア語、マレー語、フィリピノ語、ハワイ語、ミクロネシア、ポリネシア、メラネシア、マダガスカルのマラガシ語(Malagasy)語を含む、マダガスカルからイースター島までの地域で使われる言語からなる語族である。大きく分けて、東オーストロネシア諸語(オセアニア諸語)、西オーストロネシア諸語に分類される。オセアニア諸語は、タヒチ語、トンガ語、フィジ語、モトゥ語、トラック語を含む。西オーストロネシア諸語は、タガログ語、マレー語、インドネシア語、ジャワ語、チャモロ語(北マリアナ諸島)、パラオ語(ベラウ)を含む。台湾のオーストロネシア諸語の帰属は、議論が分かれているという。

言語年代学(glottochronology)によると、東オーストロネシア諸語は、紀元前2、3000年から、西オーストロネシア諸語は紀元前1000年から分化したとされている。Otto Dempwolff によると、原始オーストロネシア語は、母音をaieu、子音をptTck bdDjg q mnnyng lrR hszZ wyとする CVCVC, CVCCVC形の語を持つ言語であるという。Andrew Pawley, Robert Blust によると、名詞から動詞へ派生、前辞、後辞によるアスペクトや態の指定、音節の繰り返しによる表現、否定詞、形容詞、数詞が動詞として使用される、人称代名詞が主格、所有格、目的格をとり、1人称複数に、聞き手を含むものと含まないものが区別されること、などを特徴とするとしている。

台湾のオーストロネシア諸語は、北部と中央部のものに大別され、北部では、アタヤルAtayal語、セーディクSeedik語、サイシヤットSaisiyat語が、中央部ではアミAmi語、パイワンPaiwan語、ブヌンBunun語、サオThao語などが使用されているという。カナブKanabu語、サアロアSaarpa語、ツォウTsou語などは、帰属が不明という。

西オーストロネシア諸語のいくつかに存在する、そり舌音は、サンスクリット経由だという。母音は、マアニャン語、マラガシー語で4つ、マライ語、バリ語で6つ、スンダ語で7つ、ジャワ語で8つあるという。

東インドネシア諸語は、マカッサル海峡からフォーヘルコップ半島にかけて使用されている言語で、ブギBuginese語、シジャイSidjai語、ドゥリDuri語、マンダルMandar語、ケンダリKendari語、ムナMuna語、ブトゥングButung語、シッカSikka語、エンデEndeh語、ソロルSolor語、ハヴHavunese語、スンバSumba語、アンボンAmbon語、ブリBuli語、ミニャフインMinyafuin語、ビガBiga語、アスAs語、ボンベライ半島・セラム半島の小言語群などが含まれるという。サレラ湾以西は帰属が不明という。

このような言語に対する資料はネット上に少ないため、英語での表記が欠かせない(検索のため)。表記のゆれがあり、マダガスカル語と、マラガシー語、マラガチー語は同じものである。

講座言語 第6巻 (6) (単行本)

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