火曜日, 11月 20, 2007

米アマゾン、電子書籍参入を発表・新聞や雑誌も入手可能

アップル社の iPod の成功は、デザインや機能もさることながら、魅力的なコンテンツを手ごろな価格で便利に入手できる、という「社会的要因」によるもの――という認識が、電子機器メーカーの経営者陣にあるかどうかは知らないが、他のMP3プレーヤーと「競争にならない」市場を作り出したアップル社の目覚しい発展は、技術を持つ各社が消費者の利便性を考えて「もう少し政治的に連動することができたら」可能である市場の開拓への感慨をもたらすものである。

このたび米アマゾンは、電子書籍に参入するという。有償で電子ブック「キンドル」を販売し、コンテンツをネット配信するという。価格設定は、書籍で9.99ドル、新聞が月5.99~14.99ドル、雑誌が月1.25~3.49ドル。OEMはHon Hai Precision Ind. Co., Ltdといい、ネット回線のキャリアはSprintだという。創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏は、「思いついたら60秒」で本を入手できるメリットを語っているという。

ここで、電子化された書籍など、素直にデスクトップで読めばいい、というナイーブな意見の持ち主には、著作権がらみのコンテンツの利用法についての考慮を要請するものである(笑)。プロの情報を、正規ルートで入手する方法というのが、現在のインターネットでは実現していない現状があるからである。そして、さらに価格設定を含め、利便性を最優先し、著作権保護をも可能にする米アマゾンのマーケティング手法と、iPod の成功を考えて欲しい。

電子ブックで先行するソニーなどは、ネットからダウンロードして「貸本」が読める、「リブリエ」を発売していた。米国では、電子ブックリーダーとして現在も販売している。性能比較しているサイトがあるが、技術屋の物悲しさを覚えるように思う。リブリエを実践で使う利用者にとっては、投資してもいいと思わせる有益な情報が、支障なくタイムリーに入手できることが、デザインや機能より優先する、最大の懸念であるからである。

トラブル・フリーな既製品をブラックボックスで販売するのは、日本企業の得意技とされている。しかし、そこには消費者の利便性という決定的な要素が軽視されているように思える。消費者の利便性の本当の意義とは、企業による人権侵害にも似たサービスの強要を言うのではなく、あくまで「社会的」なメリット、最大多数の幸福を目指したものだという面を強調したいものである。

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